北欧首脳が子どものSNS規制で共同宣言など、10月後半デンマークニュース5選【2026年】

15歳未満のSNS禁止へ前進など、10月後半デンマークニュース5選【2026年】

2026年10月後半は、デンマークで15歳未満のSNS禁止法案の準備が進むなか、北欧の首脳が子どもを巨大テック企業から守る共同宣言を発表しました。そのほかにも、電気代の意外な値下がり、大学や百貨店、通信会社を狙ったサイバー攻撃、冬時間への切り替えなど、暮らしに関わるニュースが続いています。

この記事では、10月15日から31日までのニュースの中から、デンマークに住む人や、これから留学・移住・旅行を考えている人に関係の深い5本を選んでまとめます。

※金額はデンマーククローネ(DKK)で表記し、日本円の目安を併記しています(1デンマーククローネ=約23.6円、2026年10月26日時点のレートで換算)。

前号の内容は10月前半のデンマークニュース7選でまとめています。

デンマークで15歳未満のSNS禁止へ、2027年7月の施行を目指す

スマホを触る女性の手元

デンマーク政府と主要政党は、15歳未満のSNS利用を禁止する法案をまとめ、9月に意見募集にかけました。2027年初めに国会へ提出し、7月1日の施行を目指しています。まだ国会で可決されたわけではなく、法案の段階です。

対象になるのは、大手のSNSや動画共有サービスです。担当のクリスティーナ・エーゲルン大臣は、Facebook、Instagram、Snapchat、TikTokなどを例に挙げています。インターネット全体に年齢制限をかけるものではありません。年齢をどう確認するかは法案では決められておらず、各サービスに任される見通しです。

2025年11月の合意には、13歳と14歳は保護者が同意すれば使えるという例外がありましたが、9月の法案ではこの例外が削除されたと報じられています。

EUでも、2026年9月に欧州委員会が、13歳未満のSNS利用を禁止し、13〜15歳は保護者が設定する制限付きアカウントのみ、自分でアカウントを作れるのは15歳からとする案を示しています。

北欧8か国・地域が「子どもを巨大テック企業から守る」宣言

10月27日には、デンマーク、スウェーデン、ノルウェー、フィンランド、アイスランドの5か国に、グリーンランド、フェロー諸島、オーランド諸島を加えた北欧8か国・地域の首脳が、「マリーエンボー宣言」を発表しました。巨大テック企業への規制の強化、SNSの年齢制限、学校からスマートフォンなどの個人の端末をなくす取り組みなどを、北欧が足並みをそろえて進めることを掲げています。

この宣言自体に、北欧全体で守らなければならない新しいルールをつくる力はありません。それでも、メッテ・フレデリクセン首相は「北欧は、子どもの成長に対する巨大テック企業の力に、一緒に立ち向かう」と述べています。EUでも、2026年9月に欧州委員会が、自分でSNSのアカウントをつくれる年齢を15歳以上とする案を示しており、ヨーロッパ全体で子どもとSNSの距離を見直す動きが広がっています(EUの案も、まだ提案の段階です)。

デンマークの電気代、単価は上がっても年間の総額は約2割安く

前号では、冬の夕方に電気の送電料金が上がるニュースをお伝えしましたが、1年間の電気代の総額で見ると、今年は去年よりかなり安くなる見通しです。

電力会社OKによると、電気そのものの市場価格は、今年は1kWhあたり120オーレ(約28円)と見込まれ、去年の76オーレ(約18円)から1.5倍以上に上がっています。それでも、電気代全体では去年より約20%安くなるといいます。年間4,000kWhを使う平均的な家庭の場合、去年は9,500クローネ(約22万4,000円)だった電気代が、今年は7,670クローネ(約18万1,000円)になる計算です。

安くなった理由は「電気税」の引き下げ

理由は、電気代にかかる税金「電気税(elafgift)」が大きく引き下げられたことです。国会の幅広い合意により、電気税は2026年と2027年の2年間、1kWhあたり税込み1オーレ(約0.24円)まで下がりました。OKによれば、以前は1kWhあたり約90オーレかかっていたため、ほぼゼロに近い水準です。2028年には再び上がる見通しと報じられています。

電気の単価だけを見ると値上がりしているのに、税金のおかげで家計への負担はむしろ軽くなっている、という少しねじれた状況です。冬の夕方の時間帯をなるべく避けて電気を使う工夫は、前号の電気代・暖房代の記事でまとめています。

デンマークで相次ぐサイバー攻撃、大学・百貨店・通信会社でも情報流出

サイバー攻撃

10月前半には、国の住民登録システムからCPR番号約880万件が流出する事件がありましたが、10月後半にもサイバー攻撃による情報流出のニュースが続きました。

コペンハーゲン大学で約52万5,000人分が流出

コペンハーゲン大学は10月23日、サイバー攻撃によって約52万5,000人分の個人情報が流出したおそれがあると発表しました。大学は現在も調査を続けています。流出したのは、名前、電話番号、個人のメールアドレス、暗号化されたCPR番号などです。解読に使える情報も盗まれたため、大学はCPR番号が解読される危険性が高いとみています。

また、10月26日には新たな攻撃があり、大学は複数の事務システムを閉じています。

百貨店Magasin

老舗百貨店のMagasin(日本だと三越伊勢丹のような立ち位置)では、会員制度「Goodie」の会員の名前、住所、購入履歴が流出したおそれがあり、多数の会員に注意を呼びかけています。クレジットカードの情報は別のシステムで管理されているため、含まれていないとしています。

当局は「正しい権限の使われ方」の見張りを企業に要請

相次ぐ流出を受けて、デンマークの当局は、CPR番号などから個人情報を引き出せる社内システムの守りを強めるよう、企業や行政機関に求めました。デンマーク産業連盟のセキュリティ専門家は「攻撃者は必ずしもシステムに侵入する必要がない」と述べ、正規のアクセス権が異常な数の検索に悪用されるおそれを指摘しています。産業連盟は、不要なアクセス権を削除する、検索件数に上限を設けるといった対策を提案しています。

日本でも、サイバー攻撃による情報流出のニュースは毎日のように流れていて、筆者自身も、登録しているメールアドレスに「情報が流出したおそれがあります」という連絡が届いたことがあります。デンマークでもこの1か月はサイバー攻撃のニュースばかり目にする印象で、どこの国にいても他人事ではないと感じます。

流出した情報を使って、本物らしく見せかけたメールやSMSが届くおそれがあります。心当たりのない連絡のリンクは開かず、パスワードを使い回している人はこの機会に変更しておくと安心です。CPR番号を持っている人ができる「クレジットワーニング」の登録方法は、10月前半のニュースまとめで紹介しています。

デンマークは冬時間へ、日本との時差は8時間に

10月25日(日)の深夜3時に時計の針が1時間戻り、デンマークは夏時間(サマータイム)から冬時間に切り替わりました。これにより、日本との時差は7時間から8時間になりました。日本が夜の8時のとき、デンマークは同じ日の昼12時です。日本にいる家族や友人と連絡を取るときは、時間のずれに気をつけてください。次に夏時間に戻るのは、2027年3月28日(日)です。

冬時間になると、朝に太陽が昇る時間が早くなるのと引き換えに、夕方の暗くなる時間が一気に早まります。コペンハーゲンの日の入りは、11月上旬で16時半ごろ、月末には15時45分ごろになります。もっとも早いのは12月中旬で、15時40分より前に沈みます。北欧らしい「暗い季節」の本格的な始まりです。

冬の天気のチェックには、デンマークの天気予報アプリDMIのガイドも参考にしてください。

筆者は日本にて、アプリで時間設定すると時間通りにライトがつくベッドサイドライトを持参しているため、毎朝ライトの光と共に起きる生活をしています。

筆者は、アプリで設定した時間に点灯するベッドサイドライトを日本から持ってきて、毎朝その光で起きています。使っているのは【+Style】LEDベッドサイドランプです。5年ほど前に日本のAmazonで購入しましたが、現在は販売ページが見当たらず、廃盤になった可能性があります。似た製品は多いので、冬の朝が暗い北欧で暮らす人におすすめです。

デンマーク旅行・移動の最新情報|空港の行列、グリーンランド直行便、国境検査

飛行機

コペンハーゲン空港で保安検査の行列

コペンハーゲン空港では、10月に保安検査場で長い行列ができる日が続きました。10月8日から追加の保安検査が始まったことが理由です。なぜ検査を増やしたのかは明らかにしていません。特に10月8日、22日、23日は待ち時間が長くなり、24日の早朝にも最大1時間待ちになりました。SASの便では少なくとも352人が乗り遅れて予約を変更し、Norwegianでも約230人が乗り遅れたと報じられています。空港は、一部の日に必要な人員を少なく見積もっていたことも認め、人員を増やして対応しています。

空港は、シェンゲン圏内の便は出発の2時間前、それ以外の便は3時間前に到着するよう呼びかけています。空港は10月下旬の時点で、待ち時間が長くなる状態は11月の初めまで続くおそれがあるとしていて、いつ通常の状態に戻るかは示していません。コペンハーゲン空港を使う予定がある人は、出発前に空港の公式サイトで最新の案内を確認してください。日本からデンマークに入国するときの流れは、EESの入国ガイドでまとめています。

コペンハーゲンからグリーンランド・イルリサットへの直行便が開通

グリーンランド西部の町イルリサットの空港の開港で、845mの滑走路に代わる2,200mの新滑走路ができ、10月29日、コペンハーゲンからの直行便の最初の便が飛びました。これまでは首都ヌークでの乗り換えが必要でしたが、乗り換えなしで行けるようになります。滑走路が845メートルから2,200メートルに延ばされ、大きな飛行機も着陸できるようになりました。

エア・グリーンランドの発表では、冬のあいだは原則として毎週水曜日に運航します。週1便の運航は11月4日からで、4月まではJettimeが担当します。

往路はコペンハーゲンを9時45分に出発してイルリサットに11時45分(現地時間)に着き、復路はイルリサットを13時15分に出てコペンハーゲンに21時に着く時刻表です。クリスマスや年末年始などには月曜日の便も追加されます。2027年4月からは新しい機体に切り替わり、夏のピーク時には週6往復まで増やす計画です。時刻は変わることがあるので、予約の前にエア・グリーンランドの公式サイトで最新の時刻表を確認してください。

イルリサットは世界遺産のアイスフィヨルドで知られる町で、グリーンランド旅行がぐっと身近になりそうです。

ドイツとの国境検査は2027年5月まで延長

デンマーク政府は、テロや破壊工作の脅威が続いているとして、ドイツとの国境での検査を半年延長し、2027年5月11日まで続けることを決めました。電車や車でドイツとの間を行き来する人は、パスポートや在留カードを忘れずに持ち歩いてください。

まとめ:10月後半のデンマークニュースは子どもとSNS、電気代、サイバー攻撃が中心

2026年10月後半のデンマークでは、15歳未満のSNS利用を禁止する法案が進み、北欧の首脳も子どもを巨大テック企業から守る宣言を発表しました。暮らしの面では、電気税の引き下げで電気代の総額が去年より約2割安くなる一方、大学や百貨店、通信会社でサイバー攻撃による情報流出が相次ぎました。

冬時間に切り替わり、日本との時差は8時間になりました。これからデンマークに来る人は、空港の混雑やドイツとの国境検査にも気をつけてください。

次回は11月前半のニュースをお届けします。