
デンマーク大使館で婚姻届と氏の変更届を同時に提出した理由
デンマークで国際結婚をするにあたり、筆者は日本の戸籍上の氏をパートナーの氏に変更することを選びました。外国人との婚姻によって氏が自動的に変わることはなく、変更を希望する場合は別途「氏の変更届」を出す必要があります。戸籍法第107条第2項の規定により、婚姻成立の日から6ヶ月以内であれば、家庭裁判所の許可を得ずにこの届出だけで氏を変更できます。
私の場合は在デンマーク日本国大使館の領事班の窓口で、婚姻届と氏の変更届を同じタイミングで提出しました。窓口の方からは、外国にある大使館から日本の本籍地の役所に書類が届くまで、1ヶ月程度かかると案内を受けました。
日本大使館への婚姻届の提出については下記の記事もあわせてご覧ください。
大使館提出から日本の戸籍に反映されるまでの流れ
窓口で言われた「1ヶ月程度」の目安
提出時に窓口で言われたのは、書類が日本の本籍地の役所に届くまで、目安として1ヶ月程度というものでした。ただしたれはあくまで目安であり、提出する国や時期、大使館の処理状況によって前後するとのことでした。
実際に本籍地の役所に電話して分かったこと
1ヶ月が経過した時点で、筆者は本籍地の戸籍課に国際電話をかけて状況を確認しました。すると、その時点ではまだ書類が役所に届いていないという回答でした。あわせて、書類が届いてから2週間以内に処理を完了させるようにしているので、届いてからさらに2週間ほど経ってから改めて連絡してほしいと案内されました。
言われたとおり2週間後に再度電話をかけたところ、今度は手続きがすでに完了しているという案内を受けました。
結果として6週間かかったこと
まめると、私の場合は在デンマーク日本国大使館に婚姻届と氏の変更届を提出してから、日本の戸籍に氏の変更が反映されるまでに、合計でおよそ6週間(1ヶ月と2週間)からことになります。これが早いか遅いかは人によって感じ方が異なると思いますし、提出する国や大使館、時期によっても変わってくる部分だと考えられます。あくまで一つの実例として参考にしていただければと思います。
名前の変更をどうやって確認する?基本は電話での問い合わせ
戸籍への反映状況を確認する最も確実な方法は、本籍地の市区町村役場の戸籍課に電話で問い合わせることです。実際に私も最終的にはこの方法で名前の変更を確認しました。
ただし海外に住んでいると、時差を気にしながら国際電話をかけるは想像以上に負担になります。通話料の問題もありますし、平日の日中に日本の役所の開庁時間に合わせて電話をかけること自体が難しいという方もいるでしょう。
日本にいる家族や親族に代わりに確認してもらうという方法もありますが、その場合は「いつ頃電話をかけてもらえばよいのか」というタイミングが分かりにくいという課題があります。
楽天モバイルの「楽天リンク」で通話料を気にせず電話できた

私の場合は、日本にいたときから使っていた楽天モバイルの回線をそのまま日本の電話番号として維持し、あわせてデンマークのSIM(eSIMを含む)を契約して、スマートフォンに2つの回線が入っている状態で生活していました。日本を出国したあとも基本料金は発生し続けますが、日本の電話番号を維持しておきたかったことと、解約や再契約の手続きを考えるのが面倒だったことから、そのまま契約を続けていました。
※楽天モバイルの基本料金はデータ利用量に応じて自動的に決まる仕組みで、毎月税込968円が最低価格になります。
これが結果的に役に立ったのが、楽天モバイルが提供している「楽天リンク」というアプリです。楽天リンクはデータ通信を使って通話する仕組みのため、インターネット環境さえあれば、日本国内の電話番号宛ての通話が国内通話として扱われ、通話料がかかりません。
筆者は本籍地の市区町村役場に2度電話をかけましたが、楽天リンク経由だったため通話料を気にする必要がありませんでした。窓口の対応で10分ほど待たされることもありましたが、通話料がかからないと分かっていたので、特にストレスなく待つことができました。
povoなど海外用の安いSIMカードを別に契約するという方法があることも知っていましたが、日本の電話番号を維持しながら通話料を気にせず日本国内に電話をかけられるという点で、楽天モバイルと楽天リンクの組み合わせを選びました。
デンマークでのSIMカードの選択については下記も合わせてご覧ください
マイナンバーカード(国外転出者の継続利用)が確認の手がかりになった
国外転出者のマイナンバーカードの継続利用制度とは
筆者は日本を出国する際に、市区町村の窓口で「国外転出者によるマイナンバーカードの継続利用」の手続きをしてから海外に渡りました。
2024年5月27日から、条件を満たす国外転出者はマイナンバーカードを海外に持ち出した状態でも継続して利用できる制度が始まっています。この手続きをしておくと、海外に住んでいてもマイナポータルへのログインなど一部のサービスを引き続き利用できます。
マイナアプリとApple Walletでの利用
iPhoneを使っており、マイナポータルの機能を持つスマートフォンアプリ(2026年8月に「マイナアプリ」という名称に変わりました。以前は「マイナポータルアプリ」という名称でした)から、自分のマイナンバーカードの情報を確認できる状態にしていました。またこのアプリを通じてマイナンバーカードをApple Walletに追加していたため、日々の確認がしやすい状態になっていました。
氏の変更届を提出してからというもの、このマイナンバーカードの状態を毎日のようにチェックしていました。
ある日突然アクセスできなくなった体験

婚姻届と氏の変更届を提出してからちょうど6週間が経過した週に、それまで問題なく確認できていたマイナンバーカードの情報に、突然アクセスできなくなりました。
表示されたのは「署名用電子証明書の有効性が確認できませんでした」というエラーメッセージで、あわせて氏名などが変更されると自動的に失効するという説明が表示されました。
署名用電子証明書が氏名変更で失効する仕組み
調べてみると、マイナンバーカードに搭載されている署名用電子証明書は、住所・氏名・性別・生年月日のいずれかが変更されると自動的に失効する仕組みになっているとのことでした。
一方で、本人確認に使う利用者証明用電子証明書はこの変更では失効しないとされています。
つまり、署名用電子証明書だけが使えなくなったという状態は、氏名(または住所など)に何らかの変更があったことを示すサインだったことになります。
電子証明書の失効をきっかけに戸籍課に確認したら名前が変わっていた
このエラー表示を見てすぐに、本籍地の戸籍課に電話で問い合わせました。すると、すでに氏の変更が戸籍に反映されているという案内を受けました。つまり私の場合は、電子証明書が使えなくなったタイミングと、実際に戸籍上の氏名が変更されたタイミングが、ほぼ一致していたことになります。
海外在住者が氏名変更を確認する際の注意点
国や大使館によって期間は変わる
今回紹介した「1ヶ月+2週間で合計6週間」という期間は、あくまで在デンマーク日本国大使館を通じて手続きをした私個人の一例です。提出する国や時期、大使館の混雑状況によって、実際にかかる期間は前後すると考えられます。
電子証明書の失効はあくまで補助的な指標
署名用電子証明書の失効をきっかけに氏名変更のタイミングが分かったのは、私の実体験としては事実です。ただしこれが誰にとっても100パーセント同じタイミングで起こると断言できるものはありません。
マイナンバーカードと戸籍・住民票の情報がどのくらいの間隔で連動して更新されるかについては、公的な案内としては明言されていない部分もあるため、あくまで一つの目安、補助的なサインとして捉えていただくのがよいと思います。
大使館では案内されない気づきだったこと
少なくとも私が窓口で案内を受けた際には、このような確認方法について教えてもらうことはありませんでした。国外転出者向けのマイナンバーカード継続利用の手続きをして、なおかつマイナアプリなどで日常的にカードの状態を確認できるようにしている方に限られる方法ではありますが、国際電話をかけるのが難しい方や、家族に代理で確認してもらうタイミングに迷っている方にとっては、一つの判断材料になるのではないかと思います。
まとめ:デンマーク大使館での氏の変更届と名前変更確認のポイント
在デンマーク日本国大使館に婚姻届と氏の変更届を同時に提出した場合、日本の戸籍に反映されるまでの期間は国や時期によって異なりますが、私の場合は提出から合計およそ6週間かかりました。
名前の変更を確認する基本の方法は本籍地の役所への電話での問い合わせですが、国外転出者向けの継続利用手続きをしてマイナンバーカードを海外でも使える状態にしている方であれば、マイナアプリやApple Walletでのカードの状態、特に署名用電子証明書の有効性を日々チェックしておくことも、名前変更のタイミングを知るための一つの手がかりになります。
ただし公的に案内されている方法ではないため、あくまで補助的な確認手段として、最終的には必ず本籍地の役所へ電話で確認することをおすすめします。



