
デンマークの公共交通で長年使われてきたRejsekort(ライセコート)の物理カードが、2026年に終了しました。後継となるのが新しいチップカード「Basiskort(ベーシスコート)」です。この記事では、匿名カード派の人向けに、Basiskortの買い方、旧カードの残高の扱い、そして購入時にもらう案内紙に書かれている「乗り換えでも毎回チェックアウトが必要」という重要な変更点まで、実体験と公式情報をもとに解説します。
RejsekortからBasiskortへ|何が変わった?
旧Rejsekortの青い物理カードは、匿名版・記名版ともにもう使えません。青い読み取り機(Blåt Punkt)も2026年中に順次停止されます。今後の選択肢は次の2つです。
- Rejsekortアプリを使う(スマホで完結。すでにアプリ派の人は何もしなくてOKです)
- 物理カード派は、新しいBasiskortを購入する
Basiskortには個人情報を登録する個人版と、登録不要の匿名版があります。個人情報を企業に渡したくない人、スマホを持たない家族用、旅行者への貸し出し用などには匿名版が選択肢になります。この記事では匿名版を中心に解説します。
匿名Basiskortの買い方と旧カードの残高
買える場所は「駅の」7-Elevenなど
匿名Basiskortは、駅にある7-Eleven、チケット窓口、一部のキオスクで購入できます。注意したいのは、どこの7-Elevenでも買えるわけではなく、公式サイトでは駅の7-Elevenと案内されている点です。行く前に公式サイトの販売店リスト(rejsekort.dk)で最寄りの販売店を確認しておくと確実です。
- カード価格: 80 DKK
- 支払い: 現金・カードどちらも可。チャージも店頭でできます
- 購入した時点でカードはアクティブになっていて、すぐ使えます
旧Rejsekortの残高はレジで新カードに移してもらえた
旧Rejsekortに残高が残っている人も心配いりません。購入時にレジで「もともとRejsekortを持っているか」と聞かれ、旧カードを出すと、残っていた残高を新しいBasiskortに入れ直してもらえました。「使えなくなったからお金が消えた」ということにはならないので、旧カードは処分せずに持って行きましょう。
なお、規約上は旧Rejsekortから匿名Basiskortへの残高の「移行」はできないとされており、店頭での対応は旧カードの残高精算と新カードへのチャージという形になるようです。店舗によって対応が異なる可能性もあるため、大きな残高がある人は店頭で確認してください。
匿名Basiskort購入時には紙の冊子がもらえます。

【最重要】乗り換えでも毎回チェックイン・チェックアウトが必要です
購入時にもらう案内紙に、旧Rejsekortとの最大の違いがはっきり書かれています。Basiskortでは、乗るたびにチェックインし、降りるたびにチェックアウトします。これは途中の乗り換えでも同じで、同じ種類の交通機関を乗り継ぐ場合でも毎回必要です。
たとえばSトレインからメトロに乗り換える場合、旧Rejsekortやアプリではチェックアウトせずそのまま乗り換えるのが正しい使い方でした。Basiskortでは、電車を降りたらチェックアウトし、メトロに乗る前にまたチェックインします。旧カードの感覚のまま使うと、知らないうちにチェックアウト漏れになる可能性が高いので、カード派の人はここだけは必ず覚えておいてください。
料金は「30分ルール」で1回分にまとまります
何度もチェックイン・チェックアウトすると料金が余計にかかりそうに見えますが、前回のチェックアウトから30分以内に再チェックインすれば同じ旅程として扱われ、支払いは1回の移動分にまとまります。また、新しい読み取り機「Checkpunkt」はチェックインとチェックアウトの兼用なので、旧システムのように「どの機械にタッチするか」を考える必要はなくなりました。
チェックアウトを忘れると12時間後に自動チェックアウト
チェックアウトを忘れた場合、システムが12時間後に自動でチェックアウトする仕組みです。この場合は実際の移動と関係なく標準料金(standardpris)で精算される可能性があるため、やはり毎回のチェックアウトを習慣にするのが安全です。
そのほか知っておきたい注意点
- 読み取り機に残高や運賃が表示されなくなりました。残高確認とチャージは販売店で行います(旧セルフチャージ機は使えません)
- チェックインに必要な最低残高は大人70 DKK、子ども35 DKK。ただしSjælland、Fyn、Sydjylland、Midtjylland、Nordjyllandの地方をまたいで移動する場合は、事前に販売店でカードの設定変更が必要で、最低残高も大人600 DKK、子ども300 DKKに上がります
- カードにチャージできる上限は2,200 DKKです
- 匿名カードは持ち主の登録がないため、紛失してもブロック(利用停止)ができません。高額チャージは避けるのが無難です
- デンマーク全土のバス・電車・メトロ・ライトレールで使えますが、現在ボーンホルム島では使えません
- 旅行履歴の確認や残高の払い戻しなど一部のサービスは、2026年中に順次提供予定とされています
Rejsekortアプリのユーザーは何もしなくてOK
筆者自身はRejsekortアプリのユーザーで、今回の切り替えで特に何もする必要はありませんでした。アプリはこれまで通り使えます。スマホがあってアプリに抵抗がない人は、カードを買わずアプリを使うのが一番シンプルです。
デンマークの交通アプリの料金比較はこちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ: カード派は「毎回チェックアウト」だけは忘れずに
Basiskortへの切り替えは、駅の7-Elevenなどで80 DKKで購入、旧カードの残高は店頭で移してもらえる、と手続き自体はシンプルです。
ただし使い方は旧Rejsekortと違い、乗り換えを含めて毎回チェックイン・チェックアウトが必要になりました。案内紙を読まないと気づきにくい変更なので、周りのカード派の人にもぜひ教えてあげてください。



