
海外で外国人パートナーと結婚した日本人は、現地の日本大使館を通じて日本側に婚姻届を提出する必要があります。筆者は現在デンマークでデンマーク人パートナーとの結婚手続きを進めていて、在デンマーク日本大使館で必要書類の確認や婚姻届の入手を済ませたところです。
その過程で「これは知らなかったら詰んでいた」というポイントがいくつもあったので、この記事では海外から日本大使館に婚姻届を提出する際の注意点を、実体験をもとにまとめます。
なお、この記事の内容は2026年7月時点で筆者が在デンマーク日本大使館で確認した情報です。必要書類や運用は変わることがあるため、実際に手続きをする方は必ず管轄の日本大使館・領事館に最新情報を確認してください。
海外で結婚したら日本大使館に婚姻届を提出します
外国の方式で婚姻が成立した場合(デンマークならFamilieretshusetの婚姻許可を経て挙式した場合)、日本側の戸籍に婚姻を反映させるために、婚姻成立から3か月以内に婚姻届を提出します。提出先は現地の日本大使館・領事館、または日本の本籍地の市区町村役場です。
デンマークでの結婚手続き自体(婚姻許可の申請について)は、Familieretshusetへの婚姻許可申請の完全ガイドで詳しく解説しているので、この記事では「結婚が成立した後の日本側への届出」に絞って解説します。
日本大使館に婚姻届を提出する際の必要書類
在デンマーク日本大使館から案内された必要書類は次のとおりです(2026年7月時点)。
- 婚姻届 2通(新本籍を別の市区町村に設ける場合は3通)
- 婚姻証明書 2通(原本又は認証コピー。筆者はデンマークで発行される結婚証明書のコピーを提出。原本を出すこともできますが、手元に残せるコピーがおすすめです)
- 私のコミューンではデンマーク語や英語などが併記されている証明書だったため翻訳は不要でした。
- 外国人配偶者の国籍証明書(旅券、または旅券の表紙と身分事項ページの認証コピー)
- 氏を変更する場合は「外国人との婚姻による氏の変更届」
大使館に出向く際は、外国人パートナーのパスポートも持参してください。記載例は外務省のサイトでも公開されています(記事末尾の参考情報にリンクがあります)。
戸籍謄本は不要になっていました(HPの情報に注意)
以前は戸籍謄本の提出が必要でしたが、2026年7月現在は不要になったと大使館の窓口で案内されました。興味深いのは、在デンマーク日本大使館のホームページの必要書類欄には、今も「戸籍謄本(3か月以内・可能な限り新しいもの)」と書かれていることです。この点を窓口で確認したところ「その情報は古いです」とのことでした。
つまり、大使館の公式ホームページですら情報が古い場合があります。この記事を読んでいるタイミングがいつであっても、手続き前に必ず電話などで最新の必要書類を確認することをおすすめします。
【実体験】かわいいデザインの婚姻届は使えませんでした

今回いちばん伝えたいのがこれです。筆者は日本にいる間に、本籍地の市役所で婚姻届をもらってきました。2通提出と聞いていたので、書き損じ用も含めて3枚です。その際、市役所では「ご当地キャラクターなどのかわいいデザインの婚姻届も選べますよ。大使館からも提出できますよ」と案内されました。
ところが、デンマークの日本大使館で必要書類の再確認をしたところ、「デザイン入りの婚姻届は使えません。あれは国内専用です」とのこと。正直、市役所と大使館のどちらの案内が正しいのかは分かりません。ただ、実際に大使館で断られたのは事実なので、海外から提出する予定の人は、シンプルな様式の婚姻届を使うのが安全です。婚姻届も氏の変更届も、大使館の窓口で最新の様式をもらい直すことができます。
婚姻届の記入で注意したいポイント
証人欄と職業欄は空欄でOKでした
日本で婚姻届を出すときは証人2人の署名が必要ですが、外国の方式ですでに婚姻が成立している場合の届出では、証人欄は記入不要でした。「デンマークで婚姻が成立しているので、空欄のままで大丈夫です」という案内です。同様に、夫婦の職業欄も空欄でよいと案内されました。
年号は元号ではなく西暦で書きます
日本人は生年月日などを「昭和・平成・令和」で書くのに慣れていますが、外国人配偶者については元号を使わず、西暦(1990年など)で記入するよう案内されました。細かい点ですが、書き直しを避けるためにも覚えておくと安心です。
住所欄はCPR・住民登録がなくても書けます
筆者はビザなし(観光)でデンマークに入国し、結婚後に配偶者ビザを申請する流れだったため、届出の時点でCPRナンバーも住所登録もない状態でした。この場合の住所欄について大使館に確認したところ、「現在同居している、連絡が取れるデンマークの住所を書けば大丈夫」とのことでした。
ここでひとつ、筆者がぶつかった細かい壁を共有します。婚姻届の住所は日本語(英語部分はカタカナ)で書く必要があるのですが、デンマークは日本と階数の数え方が違います。デンマークでは地上階が0階扱いで、そこから1階、2階と数えるため、日本式の3階はデンマーク表記では2階になります。住所はデンマークの表記に合わせて書く必要があるので、自分の住所の「階」がどう書かれているかを確認してから記入してください。
氏(苗字)を変更したい場合は3か月以内に届け出ます
日本人が外国人と結婚した場合、苗字は自動的には変わらず、基本的に夫婦別姓のままです。パートナーの姓に変更したい場合は「外国人との婚姻による氏の変更届」を提出しますが、これには期限があり、婚姻成立から3か月以内です。この期限を過ぎると、家庭裁判所での手続きが必要になってしまいます。
なお、氏をどうするかには意外といろいろな選択肢があります。日本では日本の姓、海外ではパートナーの姓で生活する人、子どもの名前を両方の文化をミックスした形にする夫婦など、やり方はさまざまです。急いで決める必要がある一方で大事な決断なので、夫婦でよく話し合って、自分たちに合う形を選んでください。
ビザなし滞在中でも届出はできます
前述のとおり、筆者はビザなしで入国して結婚手続きを進めています。日本人はシェンゲン協定により180日間のうち90日までビザなしでデンマークに滞在できるほか、日本とデンマークの二国間協定によって追加の滞在が認められる仕組みもあります。滞在可能日数の計算はケースによって異なるため、結婚とビザ申請のスケジュールを組む際は、事前にデンマーク移民局や大使館に確認しておくと安心です。
まとめ: 大使館への事前確認がいちばんの近道です

海外で婚姻届を日本大使館に提出する際の注意点をまとめると、デザイン入りの婚姻届は使えない可能性が高いこと、戸籍謄本などの必要書類はホームページの情報が古い場合があること、証人欄・職業欄は空欄でよいこと、西暦で書くこと、住所は現地表記の階数に合わせること、氏の変更は3か月以内という期限があることです。
手続きの詳細は国や大使館によって異なりますし、運用も変わります。大使館に出向けば書類をもらえて記入方法も教えてもらえるので、分からないことは遠慮せず窓口や電話で確認してください。それがいちばんの近道です。
デンマークでの結婚手続き全体の流れはFamilieretshusetへの婚姻許可申請ガイド、結婚後の生活に欠かせないCPRナンバーについてはCPRナンバーで病院に行く方法もあわせてどうぞ。


