フォルケホイスコーレの授業内容まとめ|科目ジャンルを7タイプを解説【2026年版】

フォルケホイスコーレの授業内容まとめ|科目ジャンルを7タイプの学校別に解説【2026年版】

フォルケホイスコーレの授業とは?まず知っておきたい基本の仕組み

フォルケホイスコーレはデンマーク発祥の全寮制の学校で、成績も試験もない大人のための学校です。国内には約70校のフォルケホイスコーレがあり、学校ごとに授業の内容や雰囲気が大きく異なります。全国のフォルケホイスコーレを合わせると、提供されている科目の数は250以上ともいわれています。

フォルケホイスコーレの授業には、決まったカリキュラムがありません。生徒は自分の興味に合わせて科目を選び、成績のプレッシャーなく学べるのが特徴です。とはいえ「授業内容」と一口に言っても学校によって幅が大きいため、まずは学校のタイプ別に傾向をつかんでおくと、自分に合った1校を見つけやすくなります。

大前提: フォルケは「何かを極める」ための学校ではありません

授業の話に入る前に、いちばん大切なことを最初に書いておきます。フォルケホイスコーレは、専門家になるために何かを極める学校ではなく、自分の視野を広げたり、新しいことに挑戦したりするための場です。

日本から海外留学をするとなると、「何かを学ばなければ」「何かを得て帰らなければ」と自分に期待をかけて渡航する人が多いと思います。その気持ち自体は素敵なものですが、フォルケのコンセプトとは少しずれています。この前提を理解したうえで留学するかどうかを決めることが、後悔しないためのいちばんのポイントだと筆者は考えています。

フォルケホイスコーレの授業内容は学校タイプによって変わります

デンマークのフォルケホイスコーレは、大きく分けて7つのタイプに分類されます。どのタイプを選ぶかによって、授業内容の傾向がかなり変わってきます。

総合型・グルントヴィ系の学校

デンマーク語やデンマーク文化、音楽、デザイン、クラフト、ダンス、国際交流など、幅広い科目から選べる伝統的なタイプです。特定の分野に絞りたくない場合や、留学中にいろいろな授業を試してみたい場合に向いています。

筆者自身が通ったのはこの総合型の学校です。ただし総合型といっても学校ごとにカラーがあり、筆者の学校はスポーツが人気な学校でした。また総合型の中でも、自分がどの科目を中心に取るかによって、事実上の「専攻」のように学びが分かれていくという考え方もできます。

スポーツ・体操系の学校

授業時間の半分ほどがスポーツにあてられ、残りは一般教養科目という組み合わせが多いタイプです。サッカーやハンドボール、ヨガなど身体を動かす授業が中心になります。現地で知り合ったデンマーク人の友人いわく、デンマーク人にはこのスポーツ系の学校がかなり人気だそうです。

ライフスタイル系の学校

食事や運動、心と体の健康、自己開発といったテーマを扱う学校です。一般教養科目も併せて選べます。

専門特化型の学校

映画、デザイン、アートなど、特定の分野に力を入れている学校です。音楽やデザイン、クラフトに特化したフォルケホイスコーレも多くあり、日本からの留学生にはデザイン関連の学校が人気な印象です。ただし学校法の規定により、授業の半分程度は一般教養科目にあてる必要があるため、好きな科目だけを一日中学べるわけではありません。

シニア向け・宗教系・若年層向けの学校

60歳以上を対象にした短期コース専門の学校、キリスト教などの精神性を扱う学校、16歳半から19歳までを対象にした学校もあります。年齢や関心に応じて選択肢が用意されています。

注意: 国の認定を受けていない学校もあります

「フォルケホイスコーレ」と名乗っていても、実はデンマークの国の認定を受けていない学校も存在します。

認定校であれば学生ビザ(ST1)の申請ができますが、非認定の学校では学生ビザが出ないため、ワーキング・ホリデービザなどを自分で用意して通っている人が実際にいました。応募する前に、その学校が公式に認定されたフォルケホイスコーレかどうかを必ず確認してください。

筆者の友人はAvnø Højskoleという文化省から非認定のフォルケホイスコーレに通っている方がいました。日本人にも人気と聞いています。

【最重要】ホームページの授業がそのまま開講されるとは限りません

ここからは、筆者が身をもって学んだ、いちばん伝えたい注意点です。フォルケホイスコーレのホームページには魅力的な授業がたくさん載っていますが、多くの学校では、掲載されているすべての授業が毎学期開講されるわけではありません。

筆者の学校には、カヤックやカヌーがやりたくてデンマークに来た生徒がいました。しかしその子がいたのは1月始まりの冬学期。寒い時期にカヤックの授業は開講されず、「夏だけの授業です」と言われてしまいました。ホームページに載っていたのを見て学校を選んだのに、です。こういうケースは本当によくあります。

筆者自身も、デンマーク語講座があると思って1校目に入学したら、そのタームには開講されておらず、正直「何のために来たの」と思うくらいショックでした。絶対に学びたいことがある人は、応募前に「この授業は私のいる学期に開講されますか」と学校へ直接確認することを強くおすすめします。

事前に確認しても、想定と違うことはあります

筆者は2校目に応募したとき、同じ失敗を繰り返したくなかったので、入学OKの連絡が来た時点で「デンマーク語講座を取りたいのですが開講されますか?私はビギナーレベルです」とメールで問い合わせました。「開講予定です」という回答をもらって入学を決めたのですが、蓋を開けてみると、その講座は中級以上向け。クラスメートは全員、デンマーク語の会話や読み書きがある程度できるグリーンランド人という状況でした。

それでも「このために来たし、事前に確認もした」と学校側と交渉して、ビギナーながらクラスに入れてもらい、自分用の別課題をもらいながら授業に参加しました。事前確認はもちろん大事ですが、それでも現地では想定外が起こります。そのときに交渉する力と、変化を受け入れる柔軟さの両方が大切です。

人気の授業は定員や抽選で取れないことがあります

フォルケの授業は、同じ時間帯に複数のクラスが並行して設定されていて、生徒がそれぞれ選択する仕組みが一般的です。ここで注意したいのが、人気クラスの定員です。

たとえば陶芸(セラミック)の授業が人気で、20人の生徒のうち半分以上が「陶芸をやりたい」と選択したとします。しかし工房のスペースには限りがあり、同じ時間帯の他の授業とのバランスもあるため、定員は学校側が決めます。あぶれた人は、その学期は取れません。ジュエリー制作などのクラフト系も同じく人気が集中しやすい授業です。「半年間ずっと陶芸だけやりたい」というような人は、この仕組みは知っておいたほうがいいです。

授業は学期の途中で切り替わります

半年コースの学校でも、多くの場合は約3か月で前半と後半に分かれていて、そのタイミングで選択科目を組み直します。前半と後半で開講される授業自体が変わることも珍しくありません。

さらに、担当の先生が変わると授業そのものがなくなったり、逆に新しい授業が生まれたりもします。「入ってみないと分からない」部分がかなり大きいので、変化を楽しむ心構えでいることが、フォルケ生活を充実させるコツだと思います。

フォルケホイスコーレの授業を科目ジャンル別に紹介

ここからは、実際にどのような科目が用意されているのかを、ジャンル別に紹介します。

語学・デンマーク文化系の授業

デンマーク語やデンマーク文化、デンマーク史を扱う授業は、多くの学校で見つかります。英語で受講できる学校を選べば、デンマーク語がまったく話せない状態からでも留学を始められます。ただし前述のとおり、デンマーク語講座が自分の学期に開講されるか、自分のレベルに合っているかは、応募前に確認するのが安全です。

音楽・アート・クラフト系の授業

合唱や楽器演奏、絵画、写真、木工、陶芸など創作系の授業も定番です。授業を通じて作品を仕上げる過程を大切にする学校が多く、成果よりも制作のプロセスを重視する雰囲気があります。人気が集中しやすいジャンルなので、定員の仕組みは頭に入れておきましょう。

スポーツ・アウトドア系の授業

ヨガや水泳、武道、Eスポーツなど幅広いスポーツ系の授業に加えて、自然の中で過ごすアウトドア系の授業を用意している学校もあります。カヤックなど季節に左右されるアウトドア授業は、開講時期に注意してください。

哲学・社会・国際系の授業

哲学、政治、心理学、国際関係といった知的な内容を扱う授業も、フォルケホイスコーレらしい科目です。グループディスカッションを中心にした進め方が多く、正解を教わるのではなく対話を通じて考えを深めていくスタイルが取られます。

ライフスタイル・ウェルネス系の授業

料理、ソシオクラシー(対話を重視した合意形成の手法)、ライフプランニング、ストーリーテリングなど、生き方そのものを見つめ直すタイプの授業もあります。

メディア制作系の授業

筆者の学校には、ラジオ番組を作るクラスがありました。自分が作りたい番組のテーマ設定から始まり、レコーディング、音声の編集、アップロードまでを一通り学べる内容で、このクラスを中心に取って専攻のように深めている生徒もいました。
総合型の学校でも、探すとこうした専門的なクラスに出会えることがあります。

専門特化型フォルケホイスコーレの授業内容の例

映画製作に特化した学校では脚本づくりから撮影、編集までを実践的に学べますし、デザイン系の学校では家具や工芸品の制作を通じてデンマークらしいデザイン哲学に触れられます。
国際色の強い学校では、世界各国からの生徒と共に英語で授業を受けながら、国際交流そのものが学びの一部になります。

授業はどうやって選べばいい?

多くの学校では、入学前に授業のリストが公開されており、生徒はその中から週ごとに受けたい科目を選びます。必修科目を設けている学校もあれば、ほぼ自由に組み合わせられる学校もあるため、事前に志望校の仕組みを確認しておきましょう。

費用の目安

フォルケホイスコーレの費用は授業料と滞在費(食費・宿泊費込み)がセットになっており、2026年時点では1週間あたりおよそ1,850〜2,250デンマーククローネが目安です。学校や部屋のタイプによって差があるため、正確な金額は志望校の公式サイトで確認することをおすすめします。

まとめ

フォルケホイスコーレの授業内容は、学校のタイプによって大きく傾向が変わります。語学や文化、音楽やアート、スポーツ、哲学や社会科学、ライフスタイル系まで幅広いジャンルがあり、専門特化型の学校でも一般教養科目とのバランスが取られています。

そして何より、ホームページの授業リストがそのまま開講されるとは限らないこと、人気授業には定員があること、学期の途中で授業が切り替わることは、行ってから知ると想像以上にダメージが大きいポイントです。絶対に学びたいことがある人は応募前に学校へ確認し、それでも起こる想定外は「フォルケらしさ」として楽しむ。その心構えがあれば、フォルケの授業はきっと人生の視野を広げてくれます。

フォルケ留学の準備については、フォルケに行く前に知っておきたかったことフォルケホイスコーレの1日もあわせてどうぞ。