
デンマーク移住を考えている方のあいだで、よく話題に上がるのが「アポスティーユ」という手続きです。オーフスのフォルケホイスコーレへの入学を検討している方や、移住を準備している方なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
私自身もなぜオーフスの学校に行く際にアポスティーユの話が上がっているのか分かりませが、調べていると話題に上がっていました。必要かどうかはご自身の留学先によって変わるのでご確認ください。結論を言うと私はオーフスの学校に行ったことがないので分かりませんが、Fyn島デンマークの真中にある島に留学した際はアポスティーユの手続きは不要でした。(2025年時点)
「なんとなく聞いたことはあるけれど、自分がどう動けばいいのかわからない」。そんな気持ちのまま、私自身も出発直前にバタバタと手続きをしてきた一人です。
今回は、デンマークで結婚手続きを進めるにあたり必要書類があったため、実際に霞ヶ関の外務省に足を運んで感じたこと、翻訳サービスを利用した経験など、体験をもとに正直にまとめてみます。
そもそもアポスティーユって何?
まず基本から整理します。
アポスティーユ(Apostille)とは、日本の公的書類を外国の公的機関に提出するときに必要になる、外務省による証明のことです。1961年に締結されたハーグ条約に基づいていて、加盟国同士であれば、大使館での領事認証を省略できる代わりにこのスタンプが必要になります。
デンマークはハーグ条約の締約国なので、たとえば戸籍謄本などの日本の書類をデンマークの公的機関に出す場合、そのままでは受け付けてもらえません。まず市区町村で書類を取得して、それに外務省のアポスティーユを付けてもらって、やっとデンマーク側に提出できる、という流れになります。
市役所からもらった書類さえそのまま使えないなんて、手間のかかるシステムだとは思いつつ重い腰を上げて動いた内容です。
私が必要だった書類:離婚歴ありのケース

今回、私が日本の市役所から準備したのは以下の2種類です。
- 戸籍謄本
- 離婚受理証明書
離婚歴があると、独身であることの証明として別途書類が必要になるのでは……と最初は不安でした。ただ、デンマークの家庭庁の問い合わせ窓口に電話で確認したところ、戸籍謄本でも離婚の事実が記載されるのでOKというお返事をいただきました。念のため離婚受理証明書も一緒に用意しましたが、状況によっては戸籍謄本だけで足りることもあるようです。
ご自身のケースで迷ったときは、直接窓口に問い合わせてみることをおすすめします。電話一本で思っていたよりすんなり解決することもあります。
基本的に離婚歴がない方は戸籍謄本のみで大丈夫です。
外務省に行く前に:私がとった順番
「英語に翻訳してからアポスティーユを取るべき?」と迷う方もいると思います。
ネットを見ると、翻訳したものにもアポスティーユを付けるという方法をとっている方もいて、その場合は公証役場での手続きが絡んできてプロセスが複雑になります。
ただ、これは提出先の機関が何を求めているかによって変わってくるので、「この方法が正解」と断言はできません。
私がとったのは、日本語のまま外務省でアポスティーユを取得して、そのあとに翻訳者さんに依頼するという順番でした。時間的に余裕がなかったこともあり、この流れが自分には合っていたと感じています。ご自身の提出先に確認した上で、順番を決めることをおすすめします。
翻訳はLINEで完結できる「格安翻訳トランスゲート」を使いました
日本の市区町村窓口に英語での書類発行をお願いしたところ、私の住む自治体は対応していないとのことでした(ネットでは英語対応している自治体もあると書いてありましたが、実際は自治体によって差があるようです)。そのため、翻訳者さんに依頼することにしました。
私が使ったのは「格安翻訳トランスゲート」さんというサービスです。
よかったと感じたポイントをまとめると、こういったことでした。
- LINEで無料見積もりをすぐに出してもらえる
- そのままLINE上でやり取りが完結する
- アポスティーユ付きの書類にも対応してくれた
- 確認用のPDFが送られてきて、OKを出したら郵送で届く
翻訳証明(公正翻訳証明書)も合わせて送ってもらえる点も助かりました。今回の依頼内容は戸籍謄本と離婚受理証明書の2点で、見積もりは1万円ちょっと。他社と徹底比較したわけではないですが、個人的には納得感のある価格でした。
何社か比べる時間があるならそれに越したことはないですが、出国前でバタバタしていた私にとっては、LINEでサッと動けるこのサービスはとても助かりました。
霞ヶ関・外務省に行ってきました

大前提として郵送を外務省は推奨しています。しかし出国まで時間がなかった&霞ヶ関へアクセスしやすい場所に住んでいたこともあり、霞ヶ関まで足を運びました。
外務省窓口の受付時間
外務省の本省(東京・霞ヶ関)でのアポスティーユ申請窓口の受付時間は、平日14:00〜16:00です。受け取りは翌営業日の9:30〜12:00になります。
公式サイトには「14時から受付開始」と書いてありましたが、私が1時50分ごろに到着したときには、すでに何人か中に案内されていました。なので、少し早めに行っても入れてもらえる可能性があります。
入館時のセキュリティチェック
庁舎に入る際は、入口で身分証明書の提示と、空港の手荷物検査のような簡易的なセキュリティチェックがあります。驚かず、スムーズに通過できるよう身分証をすぐ出せる状態にしておくといいと思います。
中の様子:番号札を取って待つ
建物の中に入ったら、右手に番号発券機があります。そこで番号を取って、呼ばれるのを待つという流れです。
私が2時ちょうどごろに到着したときには、すでに18番目ぐらいでした。思っていたより混んでいる印象で、待合スペースはかなり狭かったです。
気づいたこと:外国籍の方がとても多い。
日本のパスポートを持っている人の方が少ないんじゃないかと感じるぐらいの割合でした。日本に移住するために各種証明書が必要な方、パートナーが外国人の方など、さまざまな事情を持つ人たちが来ていました。なかにはカップルで来ている方もいましたが、待合スペースが本当に狭いので、「一人で来てください」という案内が出ているのも納得でした。
手続き自体は本人(または代理人)ひとりで完結するので、付き添いは正直あまり現実的ではないかなと思いました。
「急いでいるので早めにお願いします」は通じません
待っているあいだ、受付で何人かが「ビザの申請期限があって、どうしても数日以内に必要なんです」とお願いしているのを見かけました。でも、残念ながら個別の事情に合わせた優先処理は基本的にはしてもらえないようでした。受付の方も丁寧に「申し訳ありません」と対応されていたのですが、こちらが急いでいても日程は変えてもらえない、というのが現実です。
スケジュールには余裕を持って動くことを、強くおすすめします。
返送はレターパックライトで
私は受取に再度出向く時間がなかったので、郵送返却を選びました。
事前にレターパックライト(青いタイプ)を購入し、自分の住所を記入した状態で持参しました。ポスト投函で受け取れるタイプなので、家にいなくても届く点が便利でした。
外務省に行く前にコンビニや郵便局で購入しておくと、当日の手続きがスムーズです。
申請に必要なものまとめ
外務省の窓口に持っていくものは以下の通りです。
| 必要なもの | 補足 |
|---|---|
| アポスティーユの申請書 | 外務省サイトからダウンロード・事前記入推奨 |
| 公文書の原本(発行から3か月以内) | 戸籍謄本、婚姻証明書など |
| 顔写真付きの身分証明書 | 運転免許証、マイナンバーカード、パスポートなど |
| 返送用封筒(郵送希望の場合) | レターパックライト+住所記入済みで持参 |
| 委任状(代理申請の場合のみ) | 代理の場合は必須 |
申請書は当日窓口でも入手できますが、事前にダウンロードして記入しておくと待ち時間に余裕が生まれます。
全体の流れを振り返って
今回の手続きを順番に並べるとこうなります。
- デンマーク家庭庁に電話して、必要書類の確認(戸籍謄本でOKと確認)
- 市区町村の窓口で戸籍謄本・離婚受理証明書を取得
- レターパックライトを購入・住所記入
- 霞ヶ関の外務省にて申請書を提出(14時前後)
- 数日後レターパックで日本の住所に書類が届く
- 届いた書類をトランスゲートさんに送付・翻訳依頼
- PDF確認後、翻訳済み書類と翻訳証明が郵送で到着
仕事をしながら準備していたので、特に外務省の窓口が平日の14〜16時しか開いていない点はなかなかタイトでした。有給を使ったり、昼休みを延長したりと、お仕事をお持ちの方には少しスケジュール調整が必要になるかもしれません。
できるだけ余裕を持ったタイムラインで動くこと、これに尽きると思います。
FAQ:アポスティーユについてよくある疑問
Q. アポスティーユは日本語の書類のままでいいんですか?
はい、外務省に出す段階では日本語のままで大丈夫です。翻訳は外務省の手続きが終わった後に行います。
Q. 書類の有効期限はありますか?
外務省へ提出する公文書は、発行から3か月以内の原本が必要です。市区町村でいつ取得するかの計画を立てながら動きましょう。アポスティーユ自体に有効期限はありませんが、提出先から「発行から○ヶ月以内」の書類を求められる場合もあります。
Q. 申請から受取まで何日かかりますか?
原則窓口受け付けをした3開庁日後に証明済み書類を郵便で返却します(例:月曜日受け付けたものは木曜日午後発送)。窓口での受取を希望される方は、申請の際にお渡しする「受領票」を4開庁日後以降にお持ちください(例:月曜日受け付けたものは金曜日午前)。
急ぎの場合はなるべく直接持参する方が確実です。
Q. 離婚歴があると何か特別な手続きが必要ですか?
独身証明に何が必要かは、提出先の機関によって異なります。私の場合はデンマーク家庭庁の窓口に直接電話して確認したところ、戸籍謄本で対応できるとのことでしたが、念には念をということで離婚受理証明書も用意しました。自分のケースに合った確認を事前にしておくのが確実です。
Q. 郵送での申請も可能ですか?
はい、可能です。書類を外務省国内申請室に郵送し、返信用封筒(レターパック等)を同封するスタイルです。霞ヶ関まで行けない方や、遠方にお住まいの方はこちらの方が現実的かもしれません。また、外務省側としても郵送を推奨しています。
まとめ

「アポスティーユ」という言葉を初めて聞いたとき、なんだかハードルが高そうだなと感じていましたが、手順を把握してしまえば思ったよりも難しくはありませんでした。
一方で、平日昼間にしか動けない手続きがいくつかあるという現実は、仕事をしながら準備する方にとってはなかなかの壁だと感じました。市区町村の窓口、外務省、翻訳者とのやり取りと、ステップが複数あるので、スケジュールに余裕がある時期から動き始めることをおすすめします。
デンマークのフォルケホイスコーレを目指している方、オーフスへの移住を考えている方の少しでも参考になれば嬉しいです。(私はFynのフォルケホイスコーレに留学しましたがアポスティーユは全く必要ありませんでした。)





