社会人がフォルケホイスコーレに行くメリットはある?実際に行って感じたリアル

社会人がフォルケホイスコーレに行くメリットは?デンマークで感じたリアル体験

社会人でフォルケホイスコーレに行くって、実際どうなんだろう。

キャリアが止まるんじゃないかとか、帰ってきたあとに後悔しないかとか、不安に感じる人も多いと思います。
特に日本にいると、「空白期間を作らない方がいい」という考え方も強いので、一歩踏み出すのは簡単ではないですよね。

私自身も会社を辞めて、いわゆる無職の状態でフォルケホイスコーレに行きました。
だからこそ、「社会人が行く意味はあるのか?」という問いには、実体験ベースで答えられると思っています。

この記事では、メリットだけでなくデメリットも含めて、社会人としてフォルケに行って感じたことを正直にまとめています。

社会人でフォルケに行くってどうなんだろう

パソコン作業

結論から言うと、この問いに対する答えはひとつではなくて、本当にその人の考え方次第だと感じています。

日本社会では会社を辞める選択をするのは逃げと捉えられることもありますが、体験するとそんなことどうでも良いくらい人生の中で何が大切かなど考える時間となり、かけがえのない時間となるかもしれません。

キャリアという軸で考えれば「ブランク」と捉えることもできるし、人生という視点で見れば「必要な時間だった」と感じることもある。どちらも間違っていないと思います。

フォルケは全員におすすめできる場所ではない

まず最初に正直に伝えておきたいのは、フォルケホイスコーレはすべての人におすすめできる場所ではないということです。

学位が取れるわけでもないし、専門的な資格が手に入るわけでもありません。何か明確なスキルが身につくというよりも、かなり抽象的な経験が多い場所です。

だから「キャリアアップのために行きたい」と考えている場合は、あまり合わない可能性が高いと思います。

実際にフォルケに来ている人の多くは、キャリアを加速させるためというよりも、何かしら人生のタイミングで来ている人が多い印象でした。進路に迷っている人、環境を変えたい人、少し立ち止まりたい人。

それぞれ理由は違うけど、共通しているのは「今までと同じ場所にいない選択をしている」ということでした。

人生を一度リセットできる場所だった

北欧の森

それでも私がフォルケに行ってよかったと思っている一番の理由は、一度自分の状態をリセットできたことです。

私の場合は、離婚という人生の中でも大きな出来事がありました。
それまでの生活や環境、人間関係をそのまま続けていくことに、少し違和感を感じていたタイミングでした。

仕事から離れたいというよりは、「このままの延長線にいたくない」という感覚に近かったと思います。

そんなときにフォルケホイスコーレという選択肢を知って、「一度全部リセットできる場所かもしれない」と思って行くことを決めました。

実際に行ってみて感じたのは、これまでの自分の肩書きや経歴がほとんど意味を持たない環境だということです。

日本で社会人として生活していると、「どこの会社ですか?」とか「何の仕事をしているんですか?」という会話が自然と出てきますよね。そしてその情報から、なんとなくその人のイメージが作られていく。

でもフォルケでは、それが一度リセットされます。

もちろん話すこともあるけど、それがその人の価値を決めるものにはなりません。
ただの「自分」としてそこにいられる感覚があって、それがすごく心地よかったです。

社会人では得られない人との距離の近さ

フォルケで特に印象的だったのは、人との距離の近さです。

初めましての人と同じ場所で生活をして、同じごはんを食べて、同じ時間を過ごす。そういう環境って、大人になってからはなかなかありません。

会社の同僚とも違うし、日本での友達とも違う、少し不思議な関係性でした。

関係性の深まり方がすごく早くて、出会って間もないのに自然と深い話をするようになります。

日本だったら「まだそこまで話さないよね」と思うようなことでも、フォルケでは普通に共有されていましたし、私自身も気づいたらそういう話をしていました。

それは無理に話しているというよりも、その環境がそうさせているという感覚に近かったです。

心理的に安心できるから本音でいられる

ビーチで焚き火

なぜそこまで人との距離が近くなるのか考えたときに、
やっぱり大きいのは「心理的な安心感」だと思いました。

フォルケは期間が決まっているコミュニティなので、そこで話したことがその後の人生に直接影響するわけではありません。

「ここで何を話しても大丈夫」と思える環境だからこそ、自分を守りすぎずに人と関われるようになります。

日本にいると、どうしてもコミュニティごとに自分の立ち位置があって、それに合わせて振る舞っている部分があると思います。

でもフォルケでは、それを一度手放して、もう少し素に近い状態で過ごすことができました。

デメリットもはっきりある

もちろん、いいことばかりではありません。

まず、キャリアとしてはブランクになります。
特に日本では、この「空白期間」を気にする文化があるので、そこはデメリットとして考えておいた方がいいと思います。

また、収入がなくなるのも大きいです。
デンマークは物価も高いので、ある程度の貯金がないと厳しいです。

年齢についても、デンマーク人の学生は10代後半から20代前半が中心なので、社会人として行くとギャップを感じる場面はあります。

ただ、それを「合わない」と捉えるか、「違いとして面白い」と捉えるかで、感じ方は大きく変わると思います。

フォルケは答えをくれる場所ではない

友達と夕陽を見ながらポーズ

フォルケホイスコーレは、何か明確な答えをくれる場所ではありません。

何かを教えてもらって、それを持ち帰る場所というよりも、
自分が何を感じて、何を持ち帰るかを自分で決める場所だと思います。

だからこそ、この場所の価値は人によって全然違います。

正直、「何を得たのか」を言葉にするのは難しいです。
でも、行く前の自分と、帰ってきた自分は確実に違っていました。

もし今、何かを変えたいと思っているなら。
今の環境から少し離れてみたいと思っているなら。

フォルケホイスコーレは、その選択肢のひとつとして、すごくいい場所だと思います。