
フォルケホイスコーレへの留学を考えている人が気になるのが、「実際の一日の過ごし方」ではないでしょうか。日本の学校とはかなり雰囲気が違い、フォルケホイスコーレの生活は自由でコミュニティ的な要素が強いのが特徴です。授業だけでなく、食事の時間や放課後の過ごし方、人との交流なども含めて学校生活が成り立っています。
この記事では、私が実際にデンマークのフォルケホイスコーレで過ごした経験をもとに、朝から夜までの一日の流れを紹介していきます。学校によって多少の違いはあると思いますが、フォルケホイスコーレの生活の雰囲気はかなりイメージできると思います。
朝:フォルケホイスコーレの一日の始まり
朝ごはんの時間

フォルケホイスコーレでは、朝ごはんの時間があらかじめ決められています。多くの学校では1時間から1時間半ほどの朝食時間が設定されていて、その時間内であれば好きなタイミングで食べに行くことができます。早めに起きて朝食を食べる人もいれば、ギリギリの時間に来る人もいて、かなり自由な雰囲気です。
生活していると自然と「この時間に行くとこの人たちがいる」というような朝ごはんのメンバーがなんとなく固定されていきます。毎日同じ時間帯に来る人たちがいるので、朝の顔ぶれがなんとなく決まってくるのもフォルケ生活の面白いところでした☺️
ただ、朝ごはんをスキップする学生も意外と多かった印象があります。特に夜遅くまで友達と話していた日などは、朝食を食べずにそのまま授業に行く人もいました。
朝食メニュー
フォルケホイスコーレの朝食は比較的シンプルです。学校によって多少違いはあると思いますが、基本的には毎日似たようなメニューが出ることが多いです。
例えば、グラノーラやヨーグルト、牛乳、パン、ハム、チーズなどが定番でした。デンマークではオーツを食べる文化がかなり強く、オートミールを食べている人もよく見かけました。
前日の夜からオーツを牛乳などに浸しておいて朝に食べる「オーバーナイトオーツ」を食べている人も多かったです。
パンにバターとチーズをのせたシンプルなスタイルも定番BMOと呼ばれていて、デンマークのカフェにモーニングに行くと必ずあるメニューです。こういう朝食もフォルケホイスコーレで味わえるので、とてもデンマークらしい食事だなと感じました。
モーニングアセンブリー
朝の集まり
朝ごはんが終わると、モーニングアセンブリーという時間があります。これは日本でいう朝の会のようなもので、全生徒が集まります。学校からのお知らせやイベントの共有があったり、担当の先生から話があったりする時間です。
私がいた学校ではコンタクトグループというグループがあり、そのグループごとにモーニングアセンブリーを担当する日がありました。担当の日には生徒たちがゲームを企画したり、ちょっとしたアクティビティを準備したりして、みんなで参加する形の朝会になることもありました。ただ話を聞くだけではなく、学生主体で進むことも多い時間でした。
Højskolen Sangbogen(ホイスコーレ・ソングブック)

そしてフォルケホイスコーレで欠かせないのが歌です。フォルケホイスコーレには Højskolen Sangbogen(ホイスコーレ・ソングブック) という歌集があり、その本の中から歌を選んでみんなで歌います。
正直、最初学校に到着した時にこの本を渡された時は宗教団体の施設に来てしまったのではないかと不安になりましたが、歌う文化がある国の教育を肌で感じられて良かったと思いました。
セメスターの最初は色々な曲を歌うのですが、セメスターの後半になるとよく歌う曲がだんだん固定されてきます。ピアノを弾ける人がいると、その人が弾きやすい曲が選ばれることもありました。
また歌にはテーマがあり、天気がいい日は明るい歌を選んだり、春の季節には春の歌を歌ったりと、雰囲気や季節に合わせて曲を選ぶこともありました。
最初はデンマーク語なので発音も分からないことが多いですが、生活していくうちに自然と覚えていき、お気に入りの歌ができてくるのもフォルケ生活の面白いところでした。
午前の授業
フォルケホイスコーレの授業スタイル
フォルケホイスコーレの授業は基本的に選択制です。学校によって仕組みは少し違いますが、多くの学校ではセメスターごとに自分でクラスを選んで受けます。
私が通っていた学校では、いくつかのカテゴリーの中から自分が興味のあるクラスを選ぶ形でした。
授業のジャンルは本当に幅広く、ジェンダー&ボディのような社会的なテーマを扱う授業もあれば、スポーツ、パーマカルチャー、陶芸、テキスタイル、デンマーク語など様々なクラスがあります。
学校によってかなり授業が違うのでまた別の記事でまとめます。
ディスカッション型の授業
フォルケホイスコーレの授業の特徴は、先生が一方的に話す授業というよりも対話型の授業が多いことです。例えば私が受けていたジェンダー&ボディの授業では、さまざまな国から来た学生が自分の国のジェンダー観や文化について話し合うことが多くありました。
セクシュアリティや社会の考え方について、それぞれの文化の違いを共有するような授業だったので、ディスカッションに参加するためにはある程度の英語力も必要だと感じました。
自分の意見を英語で伝えたり、他の人の話を聞いたりする機会が多いので、英語で考える力も自然と鍛えられていきます。
また、このような対話が中心の授業では発言をしないと授業に参加ができないので自分で意見を伝えることができる状態が好ましいと思います。
英語がそこまで必要ない授業

一方で、すべての授業がディスカッション中心というわけではありません。
スポーツ、パーマカルチャー、陶芸、テキスタイル、ハーバルジャーニーなどの授業は、体を動かしたり手を使ったりする活動が多いので、英語が完璧でなくても参加しやすいクラスでした。
言葉よりも作業を通して学ぶ授業なので、語学力に自信がない人でも比較的参加しやすいと思います。
また、多くの学校が自由時間に授業の部屋を使えます。
例えば、セラミックの授業で終わりきらなかった作品や、授業の中で出されているお題とは別のものを作りたい場合は自由時間を使って作業することができます。
アウトドア授業の日
アウトドアの授業がある日は、朝ごはんのタイミングで お弁当を準備することもあります。
基本は ・サンドイッチ ・フルーツ(リンゴやバナナ) などを持って、朝から外へ出かけるスタイルです。
フォルケホイスコーレの持ち物で「ランチボックス」と案内されていると思うのですが、日本のお弁当箱とイメージしているものが大きく違います。
私はダイソーで売っているようなプラスチックの容器を持って行ったのですが、小さすぎて全く使えませんでした。
日本のお弁当箱はほぼ使えないです。大きいサンドイッチを入れることをイメージしていただけるといいと思います。
もしまた行くとしたら、大きいランチボックスを持っていくと思います。最悪、持っていかなくても学校が貸し出してくれたりするので安心してください。
ランチと昼休み
ランチは学校のカフェテリアで食べます。朝食と同じ場所で、学生だけでなく先生や先生のご家族も、みんながここに集まります。
学校によってはコンタクトグループ(ファミリーグループ)ごとに一緒に食べる曜日が決まっていることもあります。
ランダムに座っていく形式なのでどこに座るかによって話す人も変わるので毎回誰が座りそうか探っている人もいました笑
食堂の皿洗い担当
フォルケホイスコーレでは食堂の皿洗いや片付けがデューティー制になっている学校もあり、その日は食事のあとに当番の仕事をすることもありました。
皿洗い担当になるとほぼ昼休みはなしです。
当日の昼ごはんのメニューによって1人につき2枚皿を使う時や学校がゲストを迎えている時などは、皿洗いが倍になります。頑張れー!
食べたら片付ける。私たち生徒はお金を払って授業を受けるために来たお客様ではなくコミュニティの一員です。
皿洗いの担当者はDJになりキッチンのスピーカーで好きな音楽をかけながらノリノリで皿洗いしていきます。私も業務用の皿洗いがかなり得意になりました。
自分たちが使ったものを片付けるのは当たり前、お互いに助け合いながら生活していきます。
昼休み
昼ごはんの後には少し自由時間があります。
学校によりますが私がいた学校には1時間程度時間がありました。
何をするかはそれぞれの自由です。洗濯したり、散歩、昼寝、ボドゲなど人によって様々でしたが、日本人の留学生はこの時間に日本にいる家族や友達、遠距離恋愛中の恋人に連絡をしている人も多かったです。
デンマークの昼頃は日本では夜の時間になるので、日本にいる人と連絡が取りやすい時間帯でもあります。
午後の授業
午後も授業があります。 午前の授業と同じように選択した授業を受けることになります。
日によって1日中同じ授業の日もありますが、
- 午前:セラミック
- 午後 デンマーク語
というように、違うクラスを受ける日もありました。
放課後の時間
授業が終わってから夜ご飯までの間は、比較的長い自由時間になることが多いです。この時間の過ごし方は本当に人それぞれでした。友達とカフェに行く人もいれば、散歩をする人、ジムに行く人、スポーツをする人もいます。
学校には音楽室があることも多く、ドラムやピアノなどを自由に使えることもあるので、音楽を練習する人もいました。音楽のクラスを取っていなくても楽器を使えることが多く、友達同士でセッションのように演奏している人もいました。
天気が良い日は、自転車で海やサウナに行くという学生もいました。デンマークは自転車文化が強いので、ちょっとした距離なら自転車で出かける人も多かったです。
もちろんアクティブに過ごす人ばかりではなく、自分の部屋でゆっくり過ごしたり、本を読んだりしている人もいました。フォルケホイスコーレは自分のペースで生活できる環境でもあります。
フリータイムは沢山あるので色んなことに挑戦するには完璧な時間です。
夜ご飯と夜の時間

夜ご飯は基本的に18時頃から始まります。夕食は比較的しっかりした食事が出ることが多く、メニューのバリエーションも朝食や昼食より多い印象でした。
ただ正直に言うと、その週の残り物が出てくる日もあり、「このチキンって何日前のだっけ?」みたいな会話になることもありました。食べるものを少し気をつけて選ぶこともありましたが、フードロスを減らすための考え方でもあり、デンマークらしい取り組みだなと感じました。
夜は基本的に自由時間です。ボードゲームをしたり、みんなでおしゃべりをしたり、音楽を演奏したりと、それぞれの時間を過ごします。フォルケホイスコーレでは夜に友達と長く話す時間がとても大切な時間でもありました。
カルチャーイブニング
私がいた学校では、水曜日の夜にカルチャーイブニングという時間がありました。この日は午後の授業がなく、その代わり夜にイベントのような授業がありました。
スタディートリップの準備をしたり、プレゼンテーションをしたり、学校に来ているゲストと交流したりすることもありました。
ゲストと一緒に歌を歌ったりすることもあり、フォルケホイスコーレらしい交流の時間でもありました。
フォルケホイスコーレの生活はコミュニティ
フォルケホイスコーレの1日は、朝食から始まり、モーニングアセンブリー、授業、ランチ、放課後、そして夜の時間まで、1日の中でさまざまな交流や学びがあります。
授業だけを見ると普通の学校のようにも見えますが、実際には食事の時間や放課後の過ごし方、夜に友達と長く話す時間など、日常生活そのものが学びの場になっているのがフォルケホイスコーレの特徴です。
特に朝のモーニングアセンブリーで歌う Højskolesangbogen(ホイスコーレ・ソングブック) の歌や、学生同士のディスカッション、自由な放課後の時間などは、日本の学校ではあまり経験しない文化かもしれません。
フォルケホイスコーレは「授業を受ける場所」というよりも、人と一緒に生活しながら考えたり、話したりするコミュニティのような学校だと感じました。
これからフォルケホイスコーレへの留学を考えている人にとって、この記事が学校生活のイメージを持つ参考になれば嬉しいです。


